ドローンの機体、何を買ったらいいの?

ドローンの機体、何を買ったらいいの?

ドローンスクールに通い、知識や技術を身に付け、無人航空機操縦者技能証明を取得した方々にとって、次のステップは実際にドローンを手に入れ、飛行させることでしょう。ただ、ひとくちにドローンと言っても、用途や機能などはさまざま。どんなドローンを買うかというのは、自分がやりたいことに合った機種を選ぶということに尽きるでしょう。

図1.空撮用ドローンのMavic及びMavic mini(Cr. Pok Rie)

数十キログラムのものを運べる大型ドローンまで

 まず、ドローンを使う目的が趣味なのか、それとも仕事なのかで選択肢は大きく異なります。趣味であればもっぱらドローンのカメラで景色などを撮影する空撮になるかと思いますが、仕事となるとその用途はさまざまです。写真や動画を撮影するドローンでも、カメラの性能の違いに加えて、人の目で見るのと同じような映像が撮れるカメラに加えて、熱赤外線を画像化するサーマルカメラといった種類があります。また、測量が目的ならこうしたカメラ搭載ドローンでも、より精密な撮影ができる機能が必要ですし、地表や対象物を立体的に捉えるレーザースキャナを搭載する場合もあります。

 こうした、“撮影する”“データを取得する”ドローンに対して、近年は“作業する”ドローンも進化しています。作業するドローンとして早くから利用されているのが、農薬散布用ドローンです。以前はヘリコプターやラジコンヘリコプターで行っていた農薬散布を担うドローンで、数リットルから数十リットルの農薬を積んで、アームの先に付いたノズルから散布しながら飛行します。近年は農薬散布用ドローンが年々大型化していて、今年は80kgを超える農薬を積めるドローンが登場しています。

図2.DJI製の農薬散布用ドローン(Cr. DJI-Agras)

 さらにこうした農薬散布用ドローンの技術を応用する形で、運搬用ドローンも特にここ数年で進化しています。国産ドローンではすでに70kgの荷物を吊下げて飛行できるものもあります。さらに今年はDJIからも運搬用ドローンが発売され、これまで難しいとされていた重い荷物を吊下げて飛行するハードルがグッと下がったとも言われています。

 また、重量物を短距離運ぶ運搬用ドローンに対して、注文者のもとへ商品を届ける配送用ドローンもあります。配送用は運搬用と違って5kg程度の荷物しか積めませんが、数キロメートルから数十キロメートルという長距離を高速で飛行し、配送先では自動で着陸して荷物を降ろし、帰還するといった、“空飛ぶ無人配送ロボット”ともいえる存在です。

図3.AIが描いた物流用ドローン

 ここまで紹介したドローンは、もっぱら屋外を飛行するものですが、建物の屋内や設備の内部といった、狭い空間を飛行するおもに点検用途のドローンもあります。もともとドローンは空を飛ぶもの、というイメージがありますが、こうした屋内空間点検用ドローンは、狭い空間を飛行することに特化した性能を持っていて、その分操縦技術も求められますが、近年、ニーズが高まっていて、特に今年は屋内空間点検用ドローンを開発して市場に参入してくる企業が増えました。

仕事に使うならサポート体制が欠かせない

このように、ひとくちにドローンと言っても千差万別です。趣味で買うドローンであれば数万円から高価な物でも数十万円程度が現実的なところですが、仕事で使うドローンとなればその額は1ケタ、2ケタ違ってきます。仕事に使うとなると使用頻度も高く、また、当然仕事に穴をあけられないこともあり、ドローンに高い信頼性が求められます。また、搭載するカメラやセンサーも高価なものとなりますから、その価格は数十万円から数百万円、ときには一千万円台になることもあります。

図4.産業用ドローン導入時の注意点

 そのため、個人で購入するというよりも、企業として導入するというのが一般的です。同時に仕事であればシビアに費用対効果が求められますから、そのドローンを導入することでどれだけの利益を生み、一方でドローンに対する初期投資やその維持費といったコストがいくらかかり、そこから差益がどれだけ生まれるかを勘案して導入することになります。また、趣味目的以上に日ごろのメインテナンスも重要で、修理受け入れのスムーズさや代替機の貸し出しといったメーカーや代理店のサポート体制から、メインテナンスや修理の費用をあらかじめ定額にしたサービスプランの提供といったことも、仕事で使うドローンを導入するうえでは勘案する必要があります。

用途によっては自動飛行が前提のドローンも

さて、実際にドローンを飛ばすといっても、その方法もさまざまです。もっとも、ほとんどのケースはコントローラーで機体を目視して飛行させることになります。空撮や農薬散布、点検といった用途では、目視飛行が中心でしょう。一方、測量や太陽光発電所のソーラーパネルの点検といった、ドローンを“面”で飛行させる用途では、コントローラーやパソコンのソフトウェア上でルートを指定して自動飛行させることがほとんどです。

図5.無人航空機の必須性能まとめ

また、近年は農薬散布でもあらかじめ取得した圃場のデータをもとに、自動飛行による散布が増えているようです。こうした自動飛行機能は、DJIの産業機や農業機、国産の産業機の多くで利用できます。さらに、さらに、ドローンによる商品や医薬品の配送用途では、自動飛行が前提となっていて、コントローラーと機体の間で直接通信するだけでなく、携帯電話網を使って遠隔地から自動飛行するドローンを監視するといった形の操縦も行われています。

 さらに、山間部で山の上にある送電鉄塔や植林の現場に資機材や苗木を運搬する用途では、麓の離陸場所と荷物を届ける山の上にそれぞれ一人ずつオペレーターがいて、操縦権を受け渡しながら飛行するケースも増えています。この機能は農薬散布機や運搬用ドローンなどに搭載されていることが多いようです。

バッテリーの運搬や管理に必要なアイテムを揃える

ドローンを導入する際には、どうしても機体に関心が集まりがちですが、飛行させるために必要な周辺機器も忘れてはいけません。まず、ドローンはバッテリーの電力で飛行しますから、十分なバッテリーの本数や、その充電環境を整える必要があります。とくにアウトドアの環境では電源が確保できないことが多いため、飛行の頻度に応じたバッテリーを確保したり、ポータブルバッテリーや発電機を用意する必要があります。

また、ドローンや周辺機器を持ち運ぶうえで、バッグやケースの選定も意外と忘れがちではないでしょうか。ドローンだけでなく、コントローラーやバッテリー、モニターといった周辺機器を、スマートにまとめて運搬できるバッグやケース選びは、ドローンを選ぶのと同時に考えておく必要があります。とくに航空機での移動が多い仕事の場合は、旅客機に持ち込めるバッテリーにさまざまな制限があるため、機体とは別にバッテリー用のケースを用意するといった工夫も必要です。

 そのほか、撮影であれば自分自身が使うモニターや、仕事であればスタッフやクライアントが見るためのモニターを用意しなければならない場合もあります。モニターを使う場合はそのスタンドも必要です。さらにケーブル類、さらには記録メディアといった細かいものも、必要なスペック、数を用意しなければなりません。

 また、季節や気象条件による準備が必要な場合もあります。とくに飛行に欠かせないバッテリーは、一般的に0℃から35℃程度が使用環境とされていますから、気温がその温度を下回る冬や高地、逆に上回る夏場には、バッテリーを温めたり冷ましたりするヒーターやクーラー、温冷庫などがあったほうがいいでしょう。

 さらにこのほかに、それぞれの産業分野別に必要なものがあります。仕事をする上では、ドローンのことだけでなく、仕事の場に欠かせない道具を揃える必要があります。

図6.ドローン運用のための重要要素

\初心者が学びやすいドローンスクール

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